家紋 |
家紋は、黒留袖、色留袖、喪服・色無地などの紋付きの着物に必要です。 家紋の図柄のモチーフはおよそ三百から四百種ほどあり、草花の植物、建物や景色、いきもの、自然、人物、道具、そして幾何学模様など、さまざまなのもがデザインされています。植物の中では、桐、藤、桔梗などの模様が人気があります。 家紋に使われる紋様は古来、中国大陸から輸入されたもので、やがて貴族の間で定着していきました。戦国期にはいると戦闘のさいに敵味方を識別 する印として武家の間にも広まりました。私たちが現在使っているは家紋の多くは、武家紋がその起源といわれています。 着物の種類によって、家紋を付ける場所と数は決まっています。例えば、黒留袖は背縫いの中央に一つ、両外袖と両胸元に一つずつの合計五つの家紋が配置されます。これを五つ紋と呼んでいます。色留袖の場合は、背縫いの中央に一つ、両外袖に一つずつの計三つ、また、裾模様風の訪問着には背縫いの部分に一つ入ります。家紋の数が多いほど、より格式の高い装いとなります。 |
お手入れ |
保管方法 |
|
「湿気対策」 | ||
「湿気対策」着物を保管するときに気をつけることは、まず第一に、湿気をさけるということです。
例えば、着物を着たあとは生地が汗を含んでいるので、風通しの良い日陰で一時間くらい干してください(長時間にわたって日陰干しすると、生地がたれる原因になります)。 また、タンスなどにしまう場合は、定期的に引出しをあけて風通しを良くして、タンス内にこもった湿気を取り除きましょう。 紙や布を着物の間に、はさむと湿気によるダメージを予防できます。 湿気取り器を置く場合には、容器の交換を頻繁にしましょう。長期にわたって交換しないでおくと、水分が湿気取り器内にたまり、これが着物に染みをつくる原因になることがあります。 |
||
「防虫剤の使用」 | ||
防虫剤を使用されるときには、次の二点に注意しましょう。
|
|
汚れの応急処置 |
|
衿、袖口、裾の裏などが一番汚れやすい場所です。また、膝の前、袖の袂、胸元なども注意が必要です。 汚れてしまったときには、乾いた布で表面を軽く叩いて拭き取ってください。ベンジンなどを使って強くこすると汚れを広げてしまい「輪じみ」の原因にもなるのでご注意ください。 また、汗などで汚れやすい夏物や単衣の脇の下は、特に輪じみのできやすい場所ですのでこまめな管理してください。 |
|
汚れがひどいとき |
|
応急処置を施してもまだ汚れが目立つときや汚れを完全に取り除きたいときは、専門店(呉服販売店など)にご連絡ください。 専門店では丸洗い又は生洗い(いけあらい)、染み抜き、洗い張りなどの技術で着物の生地を傷めずに汚れをきれいに落せます 汚れがひどい場合には、染め替えによって、着物をもとどおりの美しさに、また、防水加工を施すことにより、汚れを予防することもできます。 |
きものの買い方、選び方 |
着物は、一月から五月は「袷(あわせ)」、六月は「単衣」、七月と八月が「夏物」、九月は「単衣」、そして十月から十二月までは「袷」といったように、季節によって着分けられてきました。また、行事に合わせてのコーディネートも多彩 です。 例えば、結婚式にお呼ばれしたときは、振袖(未婚の方)や留袖(既婚の方)を着て華やかさを演出したり、お茶の席では、訪問着で侘(わび)の心を表現してお茶会の趣旨に理解を示したり、などの着こなしが大切です。 着物をはじめてご購入されるときには、呉服屋などの専門店で相談して選んでいくといいでしょう。 また、そういった伝統的なルールをふまえたうえで、形にとらわれず自分なりに着こなしをアレンジしていくのも最近のおしゃれのひとつといえます。 例えば、私どものお客様から、「五月に袷で出かけたら、汗びっしょりになった。暑くても脱げなくて困る」などといった声が聞かれることがありますが、暑い日なら、たとえ五月中であっても単衣をお召しになってもいいと思います。 |